薬膳とは
薬膳という言葉は、1980年頃北京のレストランで初めて使
われました。言葉は新しいのですが、中身は長い歴史の積み重ねで
す。いつの間にか身近なものになっていますが、薬膳は中国医学の
歴史とともに歩んできました。薬膳の起源は中国の王朝にあります。
周代(紀元前10世紀以降)に皇帝の食事を管理する「食医」とい
う医者がその始まりなのです。「食医」は、食べ物で健康管理、病
気治療を行っていました。食べ物で病気を予防し、食べ物で病気の
治療をしていたのです。まさに「医食同源」です。
薬膳の応用
補助的治療
薬膳による補助的な治療の例をあげましょう。上にも書きまし
たが、術後の回復期や重病の治療の後に薬膳を用います。通常の治
療に加えて、薬膳を用いることで治療効果を高めるのです。例えば
、化学療法や放射線治療を受けているがん患者に薬膳を使います。こ
の場合、体力をつけることも当然ですが、薬品による副作用を軽減
させ、免疫力の向上に役立つのです。
直接的治療
薬膳が直接的な治療に使われることもあります。糖尿病(イン
スリン非依存型)や 単純性貧血(鉄欠乏性貧血)などの治療が代
表的な例です。このような場合は、薬物治療の替わりに薬膳、食事
療法を用います。
薬膳の役割
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無理なく健康を維持する。
薬を使わず、自然の食べ物で病気を治療する。
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薬膳と西洋医学の違い
ほとんどの治療は西洋医学で診断し、その上で治療はどちらを主
にするか決めます。例えば、手術が必要な患者がいるとしましょう。
その場合、薬膳は術前の体力増幅、術後の体力回復、副作用の軽減
などに使われます。また、慢性的な病気、治療に時間がかかるよう
な病気は中国医学を用い、漢方薬を処方したり、効き目の穏やかな
薬膳を用います。もちろん、西洋医学の薬と併用する場合もありま
す。元来薬膳は即効性ではありませんので、じっくりと時間をかけ
る治療に一日の長があります。、体質改善、体力増進もその中に含
まれます。一般的に
というふうに考えていただければいいでしょう。
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